あたしがオーダーをやめた理由

もう一ヶ月ほどこの記事を書いて推敲して、公開を踏みとどまっていた。
いったい何を伝えたいのか、よくわからなくなってしまっていて。
だけど、今のこころの中をそのまま出したことは間違いじゃない。


だいぶ前、絵を仕事にするには覚悟が必要だって、先輩に言われたことがある。
その意味がやっとじわじわとわかってきた。
何度も「覚悟を決めた!」とか言ってきたけど、ことごとく崩れた。
あたしにはその覚悟ができなかったのだ。


数年前、あたしは作品のオーダーをストップした。

でも未だにちょくちょくお話をいただくのでちゃんと書いておくことにする。
どこにどのように書けばみなさんにちゃんと伝わるのだろうか。
HPやFBなどにも書いているのだけど…。



あたしはイラストレーターにもデザイナーにもなりたいと思っていない。


そして、そういうお仕事はおそらく自分にはできないと思っている。

絵やデザインをお仕事にしている人は、周りにたくさんいるけれど、本当に頭が上がらない。
心から素晴らしいなと思うし、尊敬している。

サラッと描ける人ももちろん中にはいるだろうけど、アイデアがポンポン浮かぶ冴えてる人もいるかもしれないが、そんな人ばかりじゃない。
ほとんどの人が、ものすごいエネルギー使って、試行錯誤したり、知らないところで緻密な作業や繊細な作業を幾度となく繰り返して創り出している。
命や時間をどれほどすり減らして生み出していることか。
絵を描く人は想像だけで描いていると思っている人がいるかもしれないが、資料を探して、情報収集をして、いろんな角度からデッサンしたり、ラフを描いて、はじめてモチーフをどのように描くか決めるんじゃないだろうか。
高校の時も新しい課題が出て、描くモチーフの資料を探しに図書室にはよく行ったものだ。


あたしは、本当にありがたいことに「オーダー受け付けます」と言った記憶はないのだけど、沢山のお話をいただいてきた。

その都度、あたし自身もなるべくその方の望んでいるようにと、応えたい!! と精一杯向き合ってきた。

だけど、それはあたしにとって、とても苦手なことだった。


実際、期待以上のものにしないといけないというプレッシャーにいつも押しつぶされそうになり、取りかかるのにものすごく時間がかかっていた。当然、お待たせすることとなり、それがさらに申し訳ないという気持ちにつながり、焦りや不安がどんどん膨らんで、体調が悪くなるほど悩んでしまうのだ。

アホだなと思うけれど、そうなってしまうのだからしかたがない…。

せっかくお代をいただいているのだから、それなりのものにしなければいけない。
いや…「それなり」ではぜったいにダメで「満足」を超えて「感動」の域まで持っていかないといけない。
それがプロっていうもんだろうと、以前働いていたところで学んだので、いつもそう思ってきた。

だから、とにかく時間がかかる。

ただ単に遅いのではなく丁寧に作業をしていて遅いのならまだしも、悩みすぎて手がとまってしまって遅いという事態。。。


しかし、オーダーをいただいた方にとっては絵は絵であり、3時間で描いた絵でも丸2日かかった絵でも、10日かかった絵でも、たとえばA4であればだいたいこのぐらいかなという金額を想像するのではないだろうか?

もしそれを時給で換算したとき、たとえば時給1000円だった場合3時間で描いたのなら単純計算3,000円。
だけど、10日(仮に1日あたり8時間描いたとする)かかった場合、1000×8×10で80,000円になってしまう!!!
これはたとえであり、1日に8時間を10日も続けたらあたしの場合腱鞘炎になってしまうので実際無理な話だが、たとえばの話である。

でも本当に時間がかかるのだ。

それでもやはり、無名のアーティストのA4の絵にウン万円の価格は自分でも高くないか?と思ってしまう。

それがその人(オーダーしてくださった方)にとって、どうしても欲しい!!!すばらしい!!!と思ってもらえる絵になる保証はないわけだし。

もし仮にオーダー作品ではなく、ただ自分がすきで描いた絵の原画(A4)を売ります。5万円です。なんてことはできる。むしろ普通にやる。

それだけの自信があって世に出しているし、高額でもそれでも欲しいという人は買ってくれるだろうから。

だけど、その相手が決まっている状態での価格設定は本当に難しい。
その人にとっての金銭感覚もあるし、やはりどう思われるかということをあたしも人間なので気にしてしまうのだと思う。
ましてや、肖像画を描いてほしいんだけど…と依頼があって、これは2週間かかるから普通に会社で働いているのと同じ給料の半月分を見積もりや請求書で出せるわけがない。。。

きっとこうゆう仕事をしている人は作業がとても早いか、同時進行でいくつもの作品を描いているのだろうと思う。
おそらくほとんどの人が後者にあてはまるのではないだろうか?


安売りはしてはいけない。
その反面、結局お金だと思われたくない。というのがどこかで邪魔をするのだ。

完璧主義なところ、八方美人なところ、小心者なところ。
そのどれもがオーダーを受けてそれを仕事にするには邪魔になるのだ。


あたしはもともとテーマがあると全く描けない人だ。
それは小学生の夏休みにさかのぼる。
夏休みの宿題で、いつも最後まで放置されていたのが、なんとポスターだった。

動物愛護、人権、ゴミを捨てるな…などをテーマにポスターを描くもの。

そのくくりがイヤだった。
自由に描かせて欲しかった。

その枠があると急に縮こまってしまって、何も描く気持ちになれなかった。

実際、いつも自分が描きたくて描いている、野放しの状態で自由に描いているものは、はっきり言って周りが見ていて恥ずかしいぐらいに自信満々で世に放てる。自画自賛すぎるだろというぐあいに。

でも、テーマに沿って描かなければいけないものは、どうなのかなぁ…大丈夫かな~と恐る恐るだ。

オーダーも、ほんっっっとうにあたしの性格やいろんな絵に対する想い、今までのこと、いろんなものを理解してくれている方は「Funaちゃんのすきなよ~うに、自由に描いてもらったのが一番すてきやと思うから、おもいっきりすきなよう~に気楽に楽しんで描いて。いつでもいいから。」って言ってくれた。本当に嬉しかったし、やりやすかった。

でも、いろんなことがあった。
10回を超える校正でもまだご納得いただけなかった時は、ホントに悔しくて泣いた。
今思えばとてもいい経験で、ものすごく成長させてくれる出来事だったが、その時は「二度とやるもんか」と思った。


最初のイラストレーターさんやデザイナーさんの話に戻るが、彼らはそれを仕事にしているのだから、ぜったいに「ねぇねぇ、ちょっと描いてよ~(無料で)。ちょちょいのちょいって描けるんでしょ?仕事の合間にさぁ~。」なんて頼むようなことはしてはいけない。

彼らは、それで稼いでいるのだし、家族を養っている人もいる。
もし仕事の合間にちょちょいのちょいで描けたとしてもだ、無料なんてありえない。
ましてやそこに敬意がない。

なんだか周りの絵を描く友だちや仲間を見ていて、みんな少なからず悩んでいるんだなと思って、書きたくなった。


うーん。
結局のところ、あたしはオーダーを受ける受けないの前に、絵を仕事にすることじたい、向いていないのだと思った。

ということで、今お受けしているオーダーでもう最後とさせていただいてますので、今後改めてオーダーをお受けすることはできません。(数年前にストップしたんですけどね。。。)

大変恐れ入りますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。


Funaまみむめも


だいぶ前から書いては下書き保存していたこの記事。
自分で読んでみても、ただのわがままとしか思えない。
今までのこと、もっと感謝しているということどうしてうまく伝えられないんだろう。
とってもとってもありがたい方に支えられ続けて今があるのに。
いつまで絵のことで悩んでいるのだろうか…。
もっとそれこそ自由に楽しめばいいだけなのに。



…つづく…

・Blog記事「めっちゃ稼いでると思ってるやろ?
なぜ、こんなにも引きこもっているのか。なぜこんなにもお金がない!と言っているのか。すべて暴露しました。謙遜ではありません。稼げておりません。厳しい世界だと感じています。もっともっとまだまだいっぱい我慢して頑張らなければいけないのか、もうそろそろもっと好きなことをして、ゆっくりしてもいいじゃないか…という天秤でゆれています。

・Blog記事「30歳まで!?
今年の10月で30歳になります。それを機会に活動をお休みしようかと。よろしければお読みください。
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